老人保健施設での仕事内容は、ほかの介護施設と同様に介助が中心です。入浴や食事、排泄などの介助に加えて、健康管理やリハビリのサポートなどをします。リハビリを担当するのは理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家で、介護士はあくまで補助的な役割になります。医療サービスが必要な場合は医師と看護師が対応するので心配はいりません。介護士は医療処置に携わることはできませんが、医療の知識を得るという意味では有意義な職場でしょう。
老人保健施設の利用者は介護度が低いため、体力を温存しながら介助に臨めるという声が多いです。それゆえ年齢を重ねて体力不足が気になり始めた介護士が、特別養護老人ホームから老人保健施設に転職するケースが少なくありません。利用者の入所期間は6ヶ月以内になるのが一般的で、人間関係のもつれが発生しにくい傾向があります。職場の雰囲気は明るい施設が多いため、人間関係の悩みを持つ介護士が転職してくるケースが多いです。
レクリエーションなどのイベントは、ほかの介護施設より少なくなっています。終の棲家で人生を楽しむのが目的ではなく、あくまでも在宅復帰が目標だからです。短期集中的な訓練に重きを置いているので、訓練施設としての側面が強いです。老人保健施設は全般的に医療サービスが中心となっているため、介護士が担当できる作業が限られています。多角的な介護を提供したいと考えている介護士は、転職前によく考えておく必要があるでしょう。